実話をもとにつくられたゲーム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」プレイ感想文:迫害される子どもを育てる育成シミュレーション

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2018年にゲームアプリとしてリリース、2021年にはコンシューマーやPC版も発売され更に続編リリースの予定もされている「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」。実話に基づいて制作されたこちらのゲーム、辛く苦しく心がいたい中に、感じ残るものがある、なんとも言えない名作でありました。

さて如何お過ごしでしょうか、転です!!

今回はゲーム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」のお話。
その他媒体でも発売されていますが、自分が遊んだゲームアプリ版について。

実話を元に制作されたこちらのゲーム、だいぶんシビアで辛い内容となっております。
あまり心に余裕のない時にはオススメし難い。
のですが、辛く苦しい中で得るもの・残るものも大きい一作でした

どう語っても如何せん軽々しいような気がしてなかなか言葉にするのもムズイんですが、そんな感想なんかをつらつらと。

よろしければ ごゆるりと。

「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」プレイ感想文

第二次大戦から6年後のノルウェーが舞台。
戦時中に存在した「レーベンスボルン」で生まれた方々の、実体験をもとにこのゲームは作られました。
さてそのレーベンスボルンとは、

レーベンスボルン(ドイツ語: Lebensborn)は、ナチ親衛隊(SS)がドイツ民族の人口増加と「純血性」の確保を目的として設立した女性福祉施設。一般的に「生命の泉」または「生命の泉協会」と翻訳されることが多い。ユダヤ人絶滅のための強制収容所と対照をなす、アーリア人増殖のための収容所である。未婚女性がアーリア人の子を出産することを支援し、養子仲介なども行なっていた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

というもの。戦後のノルウェーにおいて、ドイツへの怒り・憎しみは、この施設で生まれた子どもたちやドイツ兵と関係を持ったノルウェー人女性にも向けられ、差別・迫害の対象にされたといいます。
というわけでこのゲームは、
ドイツ人の血を引くという生まれのために迫害を受ける子どもを養子として迎え育てる育成シミュレーションです

開始時に男の子と女の子、どちらを引き取るか選択。

朝・昼・夜でそれぞれ行動回数が決まっているので、その限られた時間の中で子育て・家事・仕事をうまく配分して1日1日を過ごしていくのが基本的なゲームの流れです。

子どもとの会話も随時発生、その際にどのように接するかが子どもに影響を与えます。ものの考え方とか、自分への信頼度とか。

選択肢を選んでコミュニケーション!!
答えに詰まる会話も多い。

様々な理不尽が降りかかる中、過酷な立場におかれた子どもにどう寄り添っていくのか?と言った内容となっております。

ざっくりそんな感じ!

では感想をば。

心えぐられる展開に情緒がやばい

このゲーム、開始時に”人によってはかなりシンドイ内容やで”的な警告文が出ます。
まさしくです。
小学校に通い始めるところから物語は始まっていくのですが、楽しみにしていた学校で子ども達からは虐められ、先生や地域の大人からも理不尽に扱われ、社会から差別され傷ついていく様子にマジで胸が苦しすぎる。ニコニコして出かけていった子どもが泥だらけの傷だらけで帰ってきた時の哀しみったらなしです。
子どもが寝静まった後に虐められて破られた服をコツコツ直し……直ったと思ったらあっという間にまた破られ……つらあ!!!心がつらあ!!!!
受ける仕打ちもどんどんエスカレートしていくので、終盤はほんまにキツかったですね……。涙ぐんでしまうこともしばしばでした。エンディング手前に起こる事件についてはもはや憤りや悔しさ、悲しみでゲロ吐くかとおもった。とりあえずプレイ後はギャン泣きでした。
じゃあ辛いだけのゲームかというともちろんそうではなくて、外で受けてくる仕打ちに一緒に憤ったり、辛いことがあったぶん家での平穏な時間を慈しんだり、安らぎを与えてあげたいと切に思ったりと、人を大事にしたいという気持ちも揺り起こされるう
情動活動全開になります。

タップ&スワイプ操作で愛情が湧く

意図してそのように設計されているそうなのですがiOS・Android版では、基本操作がタップ&スワイプ。子どもへのアクションも画面を触ることで行うので、それが「ふれあい感」をめっちゃ高めてます。
洗顔や入浴はスワイプでゴシゴシしてあげることで完了ですし、食事もスプーンをスワイプして食べさせるし、とかく手ずから行うように設計されています。

なんでもない時にも頭をなでなでしたりとか、お腹をくすぐるようにタップしてスキンシップもはかれます、そうした時に見せるニコニコした表情が大変愛くるしいですね!

ただこの反応も、辛いことの最中にあると変わってくるのですが……ほんと辛い。
とかくそうした仕掛けがあることにより、愛着がどんどん湧いてくるんですよね。
マジで「絶対にこの子を幸せにするんや……!!!」ていう気持ちになります。そして子どもが辛い目にあった時の悔しさ・怒りも倍増。
子どもがいない自分でもそんな気持ちにさせられるのに、実際にお子さんがいる方なんかはさらに濃い体験ができるのではなかろうか。
ほかの媒体でもモーションセンサー採用なのでそういった環境がある方はコンシューマーでのプレイもよきですが、そうでなければ自分的にはタッチパネルでのプレイができるiOS・Android版が感情移入の面でオススメですね。この作品の伝えたいことをより実感できるっておもう。

まとめ:ゲームシステムを巧みに使った、すばらしいドキュメンタリーでした

そもそもこのゲームが生まれたきっかけはドキュメンタリー制作だったそうな。
レーベンスボルンで生まれた元戦争孤児の方々のドキュメンタリーを撮ろうとお話を聞きまわり、壮絶なエピソードを伺う中で、これは普段ドキュメント作品を観ない若者にも届けねばと思い至り、ゲームという媒体に切り替えられたとのこと。
すばらしき。

子どもへの愛着を持たせるゲームシステムにて没入感を高めた上で、様々な方の実体験を元にしたいろんな困難・理不尽・脅威をみせられることで、起きる事柄がより手元に感じられます。追体験というと烏滸がましいですが。
また、そんな厳しい状況にいる子どもから投げかけられる様々な疑問にどう答えるのか?「質問への回答を選択する」ということを通じて、世の中のこと、差別のこと、人間のことなどなど深く考えさせられることも多々ありました。この辺りもゲームであることをうまく活用されているなあーと思たり。
主人公の日記や新聞記事を活用して、歴史的背景や当時の情勢も提示してくれるのもわかりやすくて良かったです。
なにより狙いのとおり、ゲームだったからこそ触れたという方はやっぱり多いはず
ドキュメンタリー作品だったら、日本の自分が目にする機会があっただろうか?とおもうとどうかなーですし。元々興味があれば別ですが、レーベンスボルンについてとか、戦後の他国の情勢、などなど正直無知だったので、目にする機会があったとて観たかというとやっぱりどうかなーです。
ので、このような形でリリースされたことはありがたいですね、見聞広がった
とはいえ、一言でゲームというより、あたらしい表現のひとつといった感じ。
ゲーム作品というものの幅は広しですね。

名作ということに間違いなし。気持ちに余裕のあるときにぜひ。

マイ・チャイルド・レーベンスボルン

マイ・チャイルド・レーベンスボルン
開発元:Sarepta Studio AS
posted withアプリーチ

はじめの数日は無料、以降は iOS・370円/Android・330円 でおま。

※2021年11月現在


おわりに

さて最後までご覧くださり、ありがとうございました!!

シンドイ内容ですし、情緒かき乱されますが、たくさんの人に触れてほしい作品でした。
ちょっと先のお話ではありますが、2023年には続編「マイ・チャイルド・ニュー・ビギニング」の配信が予定されているとのことで、今作を経ての再生の物語になるようです。こちらもたのしみ。

そんなこんなで今回はさらば!!!