世界最高齢ダンスグループを追ったドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」感想！

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2014年に公開されましたニュージーランドのドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」。平均年齢80歳オーバーのダンスグループを追ったこの作品、ちょっと人生を考えさせられ、ちょっと前向きになれる、そんな素敵な映画でありました。ので感想なんかをつらつらと。

さて皆様いかがお過ごしでしょうか、転です！

此度は映画感想文、「はじまりはヒップホップ」！

ニュージーランドの小さな島に暮らすお年寄りたちで構成されるヒップホップクルー、「ヒップオペレーション」が、ラスベガスで行われるヒップホップの国際大会へ特別参加枠として応募することに。これはその軌跡を追ったドキュメンタリーです。

お年寄りとヒップホップという組み合わせのギャップに魅力を感じて観てみたのですが、なんともいろんな意味で胸を打たれ、ちょっと自分の生き方みたいなものにもうっかり思いを馳せちゃう内容となっておりました、軽い気持ちで見たのにやられたー。
というわけでそんなこんなをつらつらと。

結構内容に触れている部分があるので、何も知らずに観たい方はご注意をば。

よろしければ、ごゆるりと。

世界最高齢ダンスグループを追ったドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」感想！

楽しむこと、チャレンジすることが目的

ヒップホップの国際大会への道のりは当然険しく、予選を通過し招致を受けないといけないですしそれをクリアしても開催地ラスベガスへの渡航費用を集めないとですし、そもそも皆ご高齢なので医療面から長旅が可能かどうかの判断も必要。
そんな課題を支え合って乗り越えていかれる姿には心打たれるものがあります。
しかしそもそも皆、ヒップホップというものに関心が高かったわけではありません。クルー結成の中心人物である振付師ビリーも、もともとヒップホップダンスの知識や経験があったわけではありません。
ただ挑戦すること、人生を豊かにすること、楽しむことが大きな目的だったりします。
のどかな島の公民館で練習を重ね、おじいちゃんおばあちゃん達が真剣に、時にぶつかり合いながらもステージに向かわれる姿を見せてもらうことには上手い・下手以上の値打ちがあるように感じました。
とはいえ皆ガチなので、どんどん上手くなっていくー！それもすごい。
若いダンサー達が「老人」の既成概念を崩され、ブラザーとして交流する姿も素敵でした。

それぞれの人生

さて大会への道のりを追いつつ、ダンサーさんのこれまでの人生や今の生活環境などを語られるシーンが合間に挟まれます。
皆さん、人生を丁寧に、しんどさも愛情もきちんと受け止めて生きてこられたという印象でした。自分にできることを行動にして、後悔ないように歩んでこられている。
それが今も変わらずに続いているからこそ、何歳になっても新しいことにチャレンジできるんでしょう。
もちろん年齢とともに経験は増え、身体機能に制限が出、それに伴って変化していくものもありはする。
のですが、やっぱり人間ってそうそう変わらない。
映画の終盤にも語られますが、「自分の本質は変わらない」ということなんでしょう。子どもでも、大人になっても、老人でも。
グッときました。
しかし逆に、年をとったら自然と何かができるようになったり、勝手に人間が成熟するというものでもないってことなんですよね。ちゃんと自分で自分の人生を大事にしないとです。丁寧に生きよ。

ビリーの行動力がすごい

さて、皆を引っ張る振付師ビリー。この人の行動力が本当にすごい。
「お年寄りに冒険を提供したい」と、大好きなお年寄りのために自分ができることをどんどんやっていかれる。
自分のためにやっている、とは言いながらもそこには人へのリスペクトがきちんとあり、相手を慮りながらも対等な関係を築こうとする姿勢も見えて好印象でした。
自分のためなのか相手のためなのか、行動原理はどうでもよくて、一緒にできる何かがあって、そこで場をともにする人が幸せだったらアリですよねー。

感動＜クール！

年をとっても自分は自分、なので老人になったからと何かを諦める必要はない。
のですが、どうにも体の問題、お金の問題は発生します。
でもできるようにやる。皆で支え合って、皆で後悔なく生きる。
その姿にはどうにも感動させられるのですが、とはいえ、感動よりもかっこ良さが勝るうー！
ステージも、その柔軟なチャレンジ精神も、めっちゃクールっす。
さてラスベガスでの国際大会の後もそれぞれの物語は続いています。新しいチャレンジをしている人もいます。大会に出て終わりじゃない、最後の挑戦ではない。まさに「はじまりはヒップホップ」！