息詰まるワンシチュエーションスリラー!映画「リミット」鑑賞感想文

このサイトはアフィリエイト広告を利用しています

2010年スペインのインディペンデント映画「リミット」。90分ほどの全編が、主人公が閉じ込められた棺の中で展開するワンシチュエーションスリラー!閉塞感と切迫感に息つまるう。

ほい皆様いかがお過ごしでしょうか、転です!!

今回は映画鑑賞文、「リミット」のお話。
限定的な場面で物語が展開するワンシチュエーション映画、しかもスリラーな今作。主人公と共に様々な恐怖が味わえる1作でありました。
そんな感想なんかをつらつらと。

たたかいの映画みたいな派手さはないですし、細かいところを考え出すと設定にも疑問を挟む余地はあったりするので好みは分かれるところかと思われですが、刺激が少なくても集中して観られる方や、想像力豊かで物事に没入しがちな方にはおすすめ!!
徐々に感情移入してしまう右肩上がりの面白さがありまするぞよ。

ご一読くださればこれ幸い……とはいえ、詳細なあらすじは語りませんが、少しも情報を入れずに観たい派の方はご注意くださいまし。

てなもんで、

よろしければ、ごゆるりと。

映画「リミット」鑑賞感想文

アメリカに妻を残して、イラクのバアクーバで民間土建業者「CRT (Crestin, Roland and Thomas)」のトラック運転手をしているポール・コンロイ。ある日彼は何者かに襲われ、気がつくと粗末な棺に閉じ込められて、棺は地中のどこかに埋められていた。手元には自分のものではないブラックベリーの携帯電話とライター。状況が全く分からずに混乱するポールは、外界とのコンタクトを試み、911にコールするが、なぜかヤングスタウン (オハイオ州)の緊急センターに繋がってしまい、電話は切れてしまう。アメリカ国務省(DOS)に助けを求めるが…

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

90分ひたすら棺の中……。

ワンシチュエーションでよくぞここまで惹きつけるもんだわよねしかし!!
序盤はこれ大丈夫?おもろなる??て思ってたけど、
土の中に閉じ込められ状況が何もわからない、外との繋がりが電話だけっていう限られたやり取りの中で、情報も人間も、信じられるものが何かわからないから疑いや想像の余地が多分にある。
ので、どんどん好奇心が刺激されていって完全に右肩上りで入り込んでしまうー

そしてワンシチュエーションならではっていうか、与えられる情報や把握できる事柄が完全に主人公と一致なので、心を一つにして観てしまえることも引き込まれる要素の一つ。
何がなんだかわからないというハラハラ感も然りですが、その他の悲喜交々も然り。
シンクロ率高し!!
とかく誰か助けて……はよ……と電話しまくる主人公ですが、ある時は生き死にのかかった自身と受け手とのテンションの差異に、またある時は不誠実な対応に、一緒にイラついたり焦ったり。
思わぬトラブルにゾッとしたり。
はたまた悲哀や期待があったり。
静かな切迫感は作中ずっと流れていますが、ラスト数分の緊張感はまさしく「リミット」。ドキドキ感がすごい……。つらい
一回絶望を受け入れさせてからの、希望をみさせて、かーらーの〜!!ていう緩急がほんまやられました。
ていう情緒を共にできます。つらい。
うまいことできてまんなあ!!

あと主人公を演じた俳優さん、デッドプールやウルヴァリンでお馴染みのライアン・レイノルズ氏の一人芝居もすご見応えありでした。

何気に社会を描いているのにも関心

シチュエーションの怖さと別に、国・組織の事情が一個人を犠牲にする有様の虚しさや不条理、恐怖も同時に描かれているのがなんともまた心がキツイところ。

主人公はもちろんのことなんですが、犯人側の事情も断片的に語られ、そりゃやってることはあかんことなんやけどもアンタものっぴきならんしある意味で世界の犠牲やんね……という部分も垣間見せられ、オアー残酷やあ。

こう極端な状況はそうあるまいてですが、集団が個にもたらす影響による不幸と連鎖する悲劇はいつでも世界で起こっているのですよね。
みんなもう仲良くしようよ……。
そんなことも考えさせられる作品でした。

リミット

Blu-ray→

[リミット]【Blu-ray】 [ ライアン・レイノルズ ]

価格:1,650円
(2022/7/29 09:26時点)

DVD→

[リミット] [ ライアン・レイノルズ ]

価格:1,100円
(2022/7/29 09:27時点)

配信→



オイルライターの火の明滅だけが光源のシーンが多いので、若干画面酔いしたのが難点でした。そゆの弱い方はお気をつけて。

おわりに

さて最後までご覧くださり ありがとうございました!!

ワンシチュエーション映画といえばホラー映画の「ソウ」が有名ですが、ちょっとジャンル違いやけど「127時間」とかもちょっと思い出しましたね……。あれは冒険家が谷で岩に挟まって身動き取れなくなる実話を元にした映画ですが、埋まる とか 挟まる とか ディテールは置いといてちょっと想像しやすい危機ってしんど怖いなと改めて。
「ソウ」みたいな超非現実感あるのも普通にホラーとして怖いんですけどね!!

どっちにしても、こうしたワンシチュ映画は映像の派手さや見栄えでカバーできないぶん構成や脚本が輝いてないと面白くないわけで、これで楽しませるって純粋にすごお
と妙に感嘆したところで、

今回はさらば!!!