ノワールの傑作と名高い映画「インファナル・アフェア」鑑賞感想文：隙のない展開と緊迫したシチュエーション、そして哀愁

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2002年の香港映画、「インファナル・アフェア無間道」。香港ノワールの代表的作品であり、特に脚本が高く評価されているこちらの作品。大納得のおもしろさでした。

てなもんでいかがお過ごしでしょうか、転です！！

今回は映画、「インファナル・アフェア無間道」のお話。
人から超超勧められて視聴したのですが、大納得。
もう20年ほど前の映画で、それなりに時代を感じる部分もないわけではないですが、しかして褪せないおもしろさでした。
なので感想なんかをば！！

ちなみにハリウッドではリメイク「ディパーテッド」が、日本でもこの作品をモチーフとして「ダブルフェイス」が製作されていますが自分はどちらも未視聴。
のうえ、この「インファナル・アフェア」自体もこの後に２作続編が製作されていますがこちらも未視聴。
ので、比較云々は抜きにしてただただこの１本についての感想です。
詳細なあらすじなんぞは語りませんが、所感を述べるにあたり内容に触れる部分もございます。ので、何も知りたくない！！まっさらなまま観たい！！！って方はご注意をば。

よろしければ、ごゆるりと。

ノワールの傑作と名高い映画「インファナル・アフェア」鑑賞感想文

香港マフィアから警察学校へ送り込まれた青年・ラウ。警察学校でその成績を認められ、極秘裏にマフィアへの潜入を命じられた青年・ヤン。対照的な2人はそれぞれの立場で成果をあげていく。
それから10年。
ヤンからの情報で、マフィアの絡む大規模な麻薬取引があることを受けた警察は検挙のため動き始めるが、その挙動はラウによってマフィアに筒抜け。結果、検挙も取引も失敗に終わる。
この件でそれぞれの組織にスパイがいることが発覚してしまう。
裏切り者探しに乗り出す警察とマフィア。
そして2人は対決するーー。

無駄のない1時間40分！

そう長くはない映画ですが、1時間40分とは思えぬ内容の充実ぶり！です。
テンポが早すぎなわけでもないのにしっかり中身が詰まってます。

最後の最後までホンマ隙がない……！！

一つ一つのシーンに無駄がなく、ずっと引き込まれたままに観てしまいました。すごい。
余談ですがこれ観る直前に２時間超やったのに内容スカスカな映画観てたから余計に感嘆でした。
疑問も残らず、冗長さもなく、そういった意味ではすごく気味がよかったです。

ただスッキリしたつくりなだけに説明的な場面も少なめなので、状況や心情について丁寧に描写がある方がお好みの方にはちょっとわかりにくさあるかもしれませんですね。

対照的な2人の闘いと葛藤に目が離せない

互いに互いの組織に潜入している2人ですが、その心中も対照的でした。
本来は警官であるヤンは当然、警官としての自分を土台として悪の道を進まないといけない苦しみがあるのですが、元々マフィアなラウはそうではなく、このまま善人として生きることも選べるという迷いです。そらそうなるわ！！このまま警察いた方がいろんな意味でいい生活できるもんな〜。ただそのための過去の精算だとか、これまでの罪だとかに対する葛藤があらわれてきます。

こうした心情が、それぞれ漏れ出るシーンはほんま切ない気持ちになりました。

2人の対決も見所！！
序盤の、スパイ同士のたたかいはまじ緊張感でヒリヒリしました。し、直接対決のシーンは言わずもがな。ドキドキです。
もう目が離せませぬ。
あっメイン2人だけでなくお互いのボスたち、おっさんら同士のバチバチも劇渋かっこよでした。個人的にはこちらも見所。

救いのない渋さがたまらない

さてラストは映画タイトル、「無間地獄」の意に沿った終幕となっています。ということはあんまり救いのないやつなんですが、かといって嫌な気持ちにはなりませんでしたっていうかそれどころか。

報われない哀愁や、命のあっけない感じとか、未来にあかるさがないところを渋みでまとめたみたいな空気感がたまりませんです。
ノワールの質感満載！！ってかんじ。
細かい定義とかわかってないけど……。イメージ……。
とかくこういう乾いた雰囲気の作品はいいな。

ストーリー・構成の秀逸さもさることながら、この独特の風味の味わい深さも魅力のひとつでは。

たしかにノワールの傑作！！

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