鬱屈した男女の逃避行!映画「リバー・オブ・グラス」鑑賞感想文:どこかへ行きたければ、自分の足で

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body of water at daytime

1995年アメリカで公開の自主制作映画、「リバー・オブ・グラス」。インディペンデント・スピリット賞にて三部門のノミネートも果たしている、女性インディペンデント映画監督ケリー・ライカート氏のデビュー作であるこちらの作品。ぬるくて、シュールで、おかしな逃走劇の果ては予想外の結末です。

てなわけで如何お過ごしでしょうか、転です!!

今回は映画感想文、「リバー・オブ・グラス」のお話。
数々の自主制作映画を手掛けられているというケリー・ライカート監督のデビュー作、人生に不満たらたらの30代男女2人の物語です。
静かな感じの映画をまったり観たいな〜と、フィーリングで選んで鑑賞しましたが、えっオモロ!!でした。
ので感想なんかをつらつらと。

ざっくり予告ムービー程度のあらすじや、所感を述べるにあたってサワッと内容に触れる部分もあるので、何も聞きたくない!!!映画はまっさらな状態で観るんや!!!って方はご注意をば。

よろしければ、ごゆるりと。

鬱屈した男女の逃避行!映画「リバー・オブ・グラス」鑑賞感想文

主人公コージー(リサ・ボウマン)は30代の主婦。なんとなく今の夫と結婚し、2人の子どもを授かるもあまり愛着を持てず、退屈な毎日に不満を持っており、新しい人生を始めることを夢想しながら鬱々と暮らしている。
ある日、着飾ってバーへ出かけたコージーはそこで、同じく人生に不満を抱きながら暮らす男性・リー(ラリー・フェセンデン)と出会う。
バーをでた2人は、プールで泳ごうとリーの友人宅へ侵入。リーが彼の友人が拾ってきたという銃を見せ、コージーに扱い方をレクチャーしていたその時、プールの所有者が不意に庭に現れた。驚いた2人は発砲してしまう。
「人を殺してしまったかもしれない」と思い、2人はこれまでの暮らしを捨てて逃避行することにするが……。

ちなみにコージーの父が元ドラマーの警察官ということで、父のドラムプレイがBGMになる場面があったりするのですが、んんーカッコエエ!!
エンディング曲もイイ。音楽も実は見所の一つかも?てなもんで感想をば!!

事件をきっかけにした、精神的逃亡

鬱屈した2人が、これまでの何者でもない自分とか、納得いかない人生とか、そんな日常から、突然に現れた非日常的出来事の中に逃げ込んでいく的な物語。
しかしてそんなふわっとした感じの2人なので、現実的には全然スムーズにいきません
遠くに逃げるにも、主婦とニートなので資金もないし。
リーは罪を重ねることに普通に抵抗あるし。
お互いの中身にはあんまり関心がない感じで、ロマンスもない。
でも気分だけはボニーアンドクライド!!
みたいな、妙なシュールさが面白かったです
監督曰く、
”道路のないロードムービー、愛のないラブストーリー、そして犯罪のない犯罪ストーリー”
だそうですが、まさしく。

人生うわのそらがいやならば

さて、割と空想にふけることの多い主人公・コージー。
毎日に退屈していて、それが不満で、だからなのかと思いきや、じゃあ逃避行中はどうかっていうと別に……あんまり変わらないんですよね。
リーがさまざまな実働を買って出ていることもありますが、それにしても「共犯」のわりには別に協力的にも見えず、安定したうわのそらというか、地に足のつかない感じがある。結局日常でも非日常でも、フワフワしているように映りました
それがラストはびっくり
展開としてもエッッッッ!!??!ですがそれはおいといて。
これまでの人生周りに流されてきて、「犯罪者」という居場所にも人に着いていくような態度で来た彼女ですが、コジーが初めて能動的になった姿を見たような
建設的ではないですけどね。でも印象的でした。
どこかへ行きたかったら、連れ出されるのを待つのではなくて自分の足で行くべしということで。

あと手でレバー回して開け閉めする式の車の窓がなつかしかった〜

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とはいえ北米版なので英語、字幕も英語……。色々探してみましたが日本語パッケージは現状なさげです。なぜ。自分が探すの下手なだけ???

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おわりに

さて最後までご覧くださり ありがとうございました!!

終始温い空気感で進んでいく映画なので、ともすれば退屈しそうな感じもしますが、76分というコンパクトな時間の中に程よく動きが織り込まれていて最後まで集中して観られました。
ので、ゆるい映画が好きな方はもちろんのこと、あんまり観ないわねえ!って方にもオススメです。

てなわけで今回はさらば!!!!